高齢の犬猫では、足腰が弱くなり、立ち上がれない、歩けない、寝ている時間がほとんどになることがあります。
「病院で診てもらいたいけれど、もう車まで運べない」「大型犬で抱き上げることが難しい」「寝たきりなので、通院させる方が負担になりそう」という場合、自宅で獣医師の診察を受ける「往診」という方法があります。
寝たきりの犬猫で確認したいこと
寝たきりになった原因が、単純な加齢だけとは限りません。関節や脊椎の痛み、神経疾患、心臓病、腎臓病、脱水、貧血、感染症、低血糖、筋肉量の低下などが関係していることがあります。
特に、急に立てなくなった場合や、食欲低下、呼吸の変化、嘔吐、ぐったりしているなどの症状を伴う場合は、状態の確認が必要です。
自宅介護で注意したいこと
寝たきりになると、床ずれ、排尿・排便の問題、皮膚の汚れや炎症、食欲低下、脱水、筋肉量の低下、痛み、呼吸状態の変化などが起こることがあります。体位を変える、寝床を調整する、皮膚を清潔に保つなどの日常的な介護も重要ですが、状態によって必要な対応は異なります。
床ずれを防ぐために
同じ場所に長時間体重がかかると、肩、肘、腰、かかとなどに床ずれができることがあります。寝床の硬さや湿気を確認し、体の状態に合わせて体位を変えます。皮膚が赤い、毛が抜けた、傷になっている、浸出液が出ている場合は早めの確認が必要です。
排泄が難しくなったとき
立てなくなると、排尿や排便の姿勢をとることも難しくなります。尿や便で皮膚が汚れた状態が続かないよう清潔を保ちます。尿が出ない、排尿時に痛そうにする、便が何日も出ない、腹部が張るなどの場合は、介護だけでなく診察が必要です。
食べない・水を飲みに行けないとき
「高齢だから食べない」とは限りません。痛み、吐き気、脱水、便秘、口腔内疾患、腎臓病、薬の影響などが隠れていることがあります。また、歩けないことで水皿まで移動できていない場合もあります。食事内容だけでなく、食べられない理由や水分状態を確認します。
病院まで連れて行けない場合は、往診という選択肢があります
寝たきりの犬猫では、移動そのものが大きな負担になることがあります。往診では、ご自宅で全身状態を確認し、状態に応じて脱水や痛みの評価、採血・血液検査、超音波検査、注射、点滴、投薬内容の確認などを検討します。
すべての検査や治療を自宅で行えるわけではありませんが、慢性疾患の継続管理や介護期の診察を自宅で行える場合があります。
ご家族だけで介護を抱え込まないために
寝たきりの犬猫の介護では、抱き上げ、排泄、食事、寝返りなど、ご家族の負担も大きくなります。現在の状態を確認しながら、自宅での管理方法も一緒に考えます。
緊急性が高い場合
強い呼吸困難、意識状態の低下、けいれんが続いている、大量出血、急激な状態悪化などがある場合は、往診を待たず救急対応可能な動物病院での診療が必要になることがあります。
よくあるご相談
老犬が歩けなくなりました。往診できますか?
高齢や歩行困難などで通院が難しい場合もご相談いただけます。状態を確認し、往診で対応できる診療内容を検討します。
寝たきりでも血液検査はできますか?
状態に応じて往診先で採血し、当院の検査機器で測定します。
床ずれや介護方法だけでも相談できますか?
皮膚の状態や生活環境を確認し、寝床、体位交換、排泄、食事、水分など、ご自宅での管理方法についてもご相談いただけます。
